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ニューヨーク――世界中から人々が希望を胸に抱いて集まってくる街。アイルランドから夢を求めてやってきた売れない俳優ジョニーと妻サラは、元気いっぱいの幼い娘クリスティとアリエルとともにハーレムのボロボロのアパートで新しい生活を始めた。どんなに貧しくとも、姉妹にとってニューヨークは新鮮で魔法のように楽しい出来事に満ちている。しかし、ジョニーとサラは息子フランキーの死という悲劇を忘れられずに苦しんでいた。やがて、姉妹の純粋な心と、アパートに住む謎めいたアーティスト、マテオとの出会いが、一家に思いがけない奇跡と再生をもたらすことになる。 |
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「マイ・レフトフット」「父の祈りを」でアカデミー賞候補になった名匠ジム・シェリダンが贈る「イン・アメリカ 三つの小さな願いごと」は、ひとつの家族が自分たちの魂と向き合い、あるべき姿を見つけるまでを描いた感動作。愛する者を亡くした悲しみや喪失感を克服して再生していくさまを、10歳の少女クリスティの目を通して生き生きと語っている。
シェリダンが実の娘たち(ナオミ&カーステン・シェリダン)と共同で書いた脚本は、アメリカへ移住した際の彼自身の実体験をベースにしたもの。そこには、癒されぬ過去の記憶や笑うしかないようなどん底の生活とともに、現代のアメリカが抱えている人種差別、移民、貧困、エイズといった社会問題が織り込まれている。それは一見、悲痛きわまりない物語だが、シェリダンは少女たちの無邪気で純粋な目を通すことで、胸がわくわくするような思い出や秘密、愛と出会い、再出発についての物語へと変容させる。そして、さまざまな角度から人間の内面の奥深くに迫ることで、“家族”という普遍的なテーマを浮かび上がらせる。これまでは焼きつくようなリアリズムを身上としてきたシェリダンだが、今回、映画をおおっているのは痛みを超越した明るいユーモア。自分に身近な素材を、だからこそ繊細でさりげないリアリティで描き、爽やかで心優しい作品になった。
サラとジョニー夫妻にキャスティングされたのは、「ギター弾きの恋」でアカデミー賞にノミネートされ、「マイノリティ・リポート」の風貌を残す超ショートカットのサマンサ・モートンと、「24アワー・パーティ・ピープル」で注目され、イギリス映画界の最有望株と目されているパディ・コンシダイン。「アミスタッド」「グラディエーター」のジャイモン・フンスーが、マジカルなイメージを発散するアーティスト、マテオ役で強い印象を残す。そして、彼ら大人の共演者たちも絶賛する名演技と、愛らしくて無垢な表情で映画を成功へと導いたのはクリスティとアリエルを演じたサラ&エマ・ボルジャー姉妹。劇中、クリスティが歌って観客の心を揺さぶるイーグルスの名曲『デスペラード』も忘れられない。 |
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