
●登場挨拶
ヘイデン・クリステンセン(以下HC):
また日本に戻ってくることができて嬉しいです。今回が3度目の来日になるのですが、日本に戻ってくるのをとても楽しみにしていました。今回は「エピソード3」を引っさげての来日ですが、この作品に参加することができて本当に誇りに思っています。
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イアン・マクダーミド(以下IM):
実は1時間ほど前に日本に着いたばかりです。私にとっては初めての来日ということで、驚きや楽しいことがたくさんありましたが(後ろのダース・ベイダーとストーム・トゥルーパーを見ながら)こうしてダークサイドの人々が後ろに控えていてくれてとても嬉しく思います。「エピソード3」は私の大好きな映画で、今までの中でも最高の出来だと思っています。
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ジョージ・ルーカス(以下GL):
いつも日本に戻ってくるのをとても楽しみにしています。特に東京は私の“心の故郷”と言ってもいいくらい親しみのある街です。
「スター・ウォーズ」シリーズには日本の影響をたくさん見ることができます。
是非楽しんで下さい。
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リック・マッカラム(以下RM):
日本に帰ってくることはいつも非常に名誉で光栄なことだと思っています。
May the Force be with you!(フォースと共にあれ!)
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●質疑応答
Q:マッカラムさんが前回の来日でおっしゃっていた“「スター・ウォーズ」のテレビドラマ化”というのは本当でしょうか? もし本当ならばいつ頃開始で、主演俳優などは既に考えているのでしょうか?
GL:テレビドラマのシリーズ化には2つの構想があります。ひとつはアニメーションで「クローン戦争」というタイトルです。これは今脚本を書いているところで、おそらく1年後あたりに完成するのではないかと思います。映画に出てくる全キャラクターが登場するもので、アメリカのアニメーションと日本のアニメーションが融合したような感じになると思います。もうひとつ、実写で計画があります。これは映画の脇役のキャラクターがメインで登場し、映画に登場するメインキャラクターには触れないような内容です。
Q:厳しい訓練などたくさんの準備をしてようやく映画が完成したわけですが、この作品を終えての感想をお聞かせ下さい。
HC:過去5年間をこの作品と共にずっと歩んできたので、「スター・ウォーズ」シリーズが終わったということが、まだ受け入れにくいという状態です。悲しさも感じています。とにかく私の人生の中で最もスリリングな出来事でしたし、色々なスタッフや共演者と知り合うことができました。苦い部分と甘い部分がありますが、(シリーズが終わるという意味で)苦い方が今は多いです。
Q:「エピソード6」に出演した時に「エピソード1」「2」「3」に出演するとは予想しましたか? また旧3部作では顔を出すことがありませんでしたが、新3部作では顔を出して出演しています。そのとき、宇宙一の悪役を演じることに躊躇を感じましたか? また演じ終えてどのような変化がありましたか?
IM:ルーカス監督が私にこの作品への出演の話をもってきてくれてからもう20年近く経っています。「エピソード6」に出演した時はまだ30代だったのですが、マスクの下では100歳くらい歳をとっているという設定でした。あんなに年齢が違う役をやるとは思っていませんでしたが、マスクを被っているということで、それほど気にせずに演じることができました。新3部作になって、役柄と自分の年齢が近くなってきたので、今回の役は演じ易かったです。新3部作を演じるには色々なプロセスがあって、特に「1」「2」では、自分がどのようなキャラクターなのかと自分なりに理解に努めました。政治家というものは往々にして嘘つきだったり、自分を隠したりといったものですが、今回の「エピソード3」で最終的にはそれまで奥深く秘めてきたものをワッと出すことができました。これほどの悪役を演じることができて大変満足しています。
Q:全シリーズの中で、別れたくない名残惜しい一番好きなキャラクターを教えて下さい。また反対に「出さなきゃよかった」と思う失敗キャラクターのようなものはありますか?
GL:全てのキャラクターを自分でクリエイトしたので、全部に愛着があります。全てのキャラクターは永久に私と共に過ごしていくと思います。しかし……強いて言うならばヨーダが好きですね。そしてやはり、主人公であるアナキンでしょう。アナキンは変化していきますが、どのアナキンも好きです。皇帝も、もちろんジャー・ジャー・ビンクスも好きです(笑)。
Q:ダース・ベイダーになった瞬間の気持ちはどういったものでしたか?
また、私生活でフォースを感じることはありますか?
HC:ダース・ベイダーになったのは本当に短い期間だったんです。実際、あの衣装を着ての撮影はたった1日だけでしたが、非常に力を得たような感じがしました。あの衣装を着て、ヘルメットを被った時は、とても気持ちがよかったんです。それだけではありません。スタッフ全員が自分を見てくれましたし、ダース・ベイダーを目の当たりにした時のみんなの目が輝いたリアクションを楽しみました。
現実の生活の中でフォースを感じたのは、撮影中「アクション」と「カット」の声がかかる間、演技をしている時ですね。
Q:イアンさんにとってのダークサイドとはどういったものでしょうか?
IM:誰でもダークサイドは持っていると思いますが……、秘密なので教えません(笑)。
Q:もう作らない言っていた続編は本当に製作されないのでしょうか? また多くの日本人スタッフが製作に関わっていると思いますが、彼らの働きについてどのように評価していますか?
GL:映画としてはこれが最後です。ストーリーはアナキンが9歳の頃から始まって悲劇的な死で終わるわけですから、もう話はないわけです。
ILMでも日本人が多く働き、重要なポジションにいますが、彼らと仕事するのは楽しいし、才能もあるので一緒に働くことができていい経験になりました。特にスケッチ・アーティストやイラストレーション担当は才能豊かですよ。
Q:「スター・ウォーズ」シリーズは、シリーズものの映画の中で一番成功していると言われていますが、その秘訣は何でしょうか?
GL:「スター・ウォーズ」が多くの国の神話をモチーフにしてるからだと思います。世界中で1000年、2000年と人々に愛されてきた神話というものは人の心を打つ要素があるからこそ、今まで生き続けてきたのでしょう。昔から、話し手が人々の前で神話を話すといった形で伝承されてきたでしょう。そういった、感情的に人の心に訴える部分が強い神話を映画の要素に取り入れたからこそ、成功したのではないかと思います。
Q:「スター・ウォーズ」シリーズには個性的なキャラクターがたくさん出てきますが、好きなキャラクターと他に演じてみたいキャラクターがあれば教えて下さい。
HC:一番好きなキャラクターは勿論アナキン、他にはボバ・フェットです。いかにも賞金稼ぎらしい外見で見た目も格好いいですし、「スター・ウォーズ」を代表するキャラクターの一人だと思うので演じてみたいです。
IM:アナキンは非常に魅力的なキャラクターです。光の輝く明るいところからダークサイドへ、そして「エピソード6」では最後にまた光の中に戻っていくという大きな変化があるキャラクターなので、非常に興味深く、素晴らしいです。私が映画の中で嫌っているヨーダですが、私個人も彼が大嫌いです(笑)。
Q:「エピソード3」で初めて“ミディクロリアン”を操作して生命が創造できるという新しい設定が出てきました。「エピソード1」でアナキンが処女懐胎で誕生したように匂わせていましたが、それを否定するためなのか、それともシスがアナキンを作った可能性があるということを示唆しているでしょうか?
GL:“ミディクロリアン”とは生命の創造を表すメタファーで抽象的なアイデアです。それは細胞分裂をするのに必要なミトコンドリアからヒントを得ました。生物が細胞分裂するには2つのDNAが必要で、両方が合わさって1つのものを作る、つまり片方のDNAだけでは新しい生命は生み出せないし、繁殖できません。要するに人間は1人では何も生み出せない、友人やパートナー、同僚といった人がいて、そういった周囲の人々と力を合わせて初めて世界は作り上げられていくということだと思います。
Q:撮影中の面白いエピソードがあれば教えて下さい。
HC:2年前に撮影が終わっているので、そのときならば色々思い出せたと思います。「エピソード3」に関していえば、かなりワイヤーアクションが多く、空中でのアクション・シーンでユアン・マクレガーがワイヤーでぐるぐる巻きになったりして、笑い合ったことを覚えています。毎日とにかく笑いが絶えなくて、本当に楽しい撮影現場でした。
IM:(アクションはお手のものですよね、という司会者の言葉に対して)観客の皆さんには怖い、観ていてハラハラすると思われるアクションかもしれませんが、私としては楽しい現場でした。ただ新しい技術を身につけなければならなかったです。本当のところはスタントのマイケル・バーンにお任せだったのですが、ルーカス監督は自分でできることは自分でやれという主義で、「やってみる?」と気安く言ってくるわけです。当然の事ながら初めに予定されていた通りのアクションはできないこともあるので、そういった場合には多少振り付けを変えてもらってライト・セーバーを振り回すといったこともありました。本来はいるはずなのに、私の大嫌いなヨーダは顔を一度も出したことがないので(笑)、緑色のヨーダと思しきダミーを相手にしながら戦うシーンを撮らなければなりませんでした。とにかく監督に何かやれと言われた時には、体を必死に動かして一生懸命やって、楽しみながらアクションシーンをこなしました。
Q:完成した「エピソード3」を鑑賞してどういう気持ちになりましたか?
GL:大きなスクリーンで観た時にはホッとしました。10年関わってきた非常に難しく大変な仕事だったので、完成したものを観て感慨深かったです。今回は関わった者が最後の最後まで完全版を観るチャンスがありませんでした。通常は途中でラフカットと呼ばれる編集したものを見て、最後に音楽とサウンドエフェクトをつければ完成といった感じになるのですが、今回はそれができなかったので、最後の最後にファイナルプリントを作ってから観るという状況でした。監督としては、想像しながら撮影をして、演技を指導したり演出を決断をしなければならないので、非常にスリリングで、最後の試写では果たして本当に想像通りになっているかどうか心配で胸がドキドキしていました。しかし思った通りの出来上がりになりました。
IM:カリフォルニアのルーカス監督の試写室で朝の10時に観たのですが、子供の頃の土曜のマチネーを思い出しました。マチネーではクリフハンガーと呼ばれるようなハラハラドキドキの興奮するアクション映画を観たものですが、ルーカス監督が以前から何度も言っているように「スター・ウォーズ」というものはそういった映画から生まれた、そういった体験から生まれたもので、それがこの映画を楽しみたいと思う人々の源に流れているのだと思います。まさに子供の頃の土曜のマチネーをドキドキ観ていたのと同じ興奮を味わいました。今回は俳優も監督と同じで、自分の出演したシーンくらいしか観ておらず、最後の最後まで完成版を観ていなかったので、試写室で完成版を観た時はまさに「参りました!」と降伏するような感銘を受けました。「スター・ウォーズ」シリーズの中だけでなく、アメリカ映画の中でも最高傑作だと思います。
HC:この作品を初めて観た時はとにかく喜びに満ちあふれ、圧倒されました。私の撮影が終了してから2年間、ルーカス監督が編集を重ね、VFXを加えてとポストプロダクションの長いプロセスがあって、延々に待たされているような気分になりました。私の演じたシーンがどういう風になったのか、戦いのシーンはどんな編集になっていったのかと色々な事を考えながら完成を待っていましたが、最終的に観た時は、自分の期待していたものを凌駕していたので本当に嬉しかったです。
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