「トレーニング・キャンプに参加して、出演者は、すぐにドッジボールは競技スポーツであり、うずきや痛みを伴うものであることに気づいた」とサーバーは証言する。出演者たちは、膝のすり傷や肩のコリ、手首のひねりなどの傷がたえなかった。そして、ベン・スティラーは、リハーサルの時に、妻のクリスティーン・テイラーの顔面にボールを投げつけたのだ。「ドッジボールのシーンになると、ベンの闘争心に火がついて、それが私の方に向かってくるのに気がついた……彼には、ぶつける気はなかったけど、私の顔に当たっちゃった。彼はものすごく申しわけないと言っていたが、本当に傷ついたのは避けられなかった私のエゴよ」
一方、ベンは「ぼくの狙いは、いつも外れていたので、撮影中に“野性の男”というあだ名が付いていたかも」しかも、ベンはハンディカム3台にもボールをぶつけているが、幸いにもカメラは無事だった。
出演者たちは、スタント・コーディネーターの「ゲームやプレイを本格的なものにしたかった」という狙い通り、何週間も続くキャンプを経て、競争心とユーモアと体力を身に付け、カメラが回り始め、試合を見るために見物客が現れると、出演者たちの競争心は最高潮に達して、本物の試合が始まったのだ。
ドッジボールの試合の撮影は、カリフォルニアのロングビーチにある高校の体育館を、派手なラスベガス国際ドッジボール・オープン・チャンピオン大会の会場に変身させた。最後に、監督のサーバーが言う。「『ドッジボール』という言葉を口にすると、人は冷汗をかくか、笑みを浮かべるかのどちらかだと思う」
『ドッジボール』は、観客にとって忘れていた子供時代の思い出を呼び覚ます作品なのである。