監督やプロデューサーたちは、主人公のピーター役には、ヴィンス・ヴォーンしか考えられなかったと回想する。監督のサーバーは、「『ミートボール』や『パラダイス・アーミー』、『ゴーストバスターズ』などのビル・マーレイに似た抗い難い魅力がある」と言い、製作のコーンフェルドは「ヴィンスはピーターという、表面的な事には動揺しない男という役柄に、大いに心を入れてくれた。このキャラは善人の魂を持っているが、人に気に入られようが嫌われようが関係がない」とも言う。ヴィンス自身は渇いたユーモアが気に入り、特別な関心を示した。「登場人物のキャラは、みんな共感出来る。信じてもらえるかどうか分からないが、ぼくは『オズの魔法使い』を思い出した。オズのキャラたちも、ぼくたちと同じように心や勇気のような、既にぼくたちが持っているものを求めているからね」
一方、サーバーは、自分のアイドルであるベン・スティラーは製作することに感激し、さらに出演することにも喜びを増した。「ベンは非常に反応が早い、創意に富んだ俳優だ。コメディで彼が出来ないことはほとんどない」とサーバーは絶賛する。「ベンには、自分のやりたいことを100%やり通す人物を完璧に演じる才能がある。やりたいことがどれほどバカげたことでもね」とはコーンフェルドの言葉だ。そのベンが演じるホワイト・グッドマンのキャラとは……自分で自分のイメージを作りあげ、それを演じる男だ。あくまでも気取ったセックス・アピール、人工的な日焼け、磨きあげられた白い歯、完璧なまでに手入れの行き届いたヘア、一分の隙もなく羽根のようにふわりとさせながらグリースを付けて形を整えたカイゼル髭という格好なのである。「心の底では自分にまるで自信が持てず、自らを憎悪している。極端なまでに心に傷を負ったエゴイスト」とコーンフェルドが分析し、演じるベンは、「外見と暮らしを完全に変容させたものの、彼は未だに自分が進む道に立ちはだかるものに対しては、それが何であれ激怒する」とのこと。