右:ローランド・エメリッヒ(監督)
左:マーク・ゴードン(製作)


人間のおごりで引き起こされた地球温暖化によって、近い将来現実となりうるであろう地球規模の自然災害の恐怖を、スケールたっぷりに描いた超大作「デイ・アフター・トゥモロー」。本作のプロモーションのため、監督のローランド・エメリッヒと製作のマーク・ゴードンが緊急来日し、グランドハイアット東京(東京・六本木)にて会見を行いました。オフィシャルサイトではその模様をお伝えします。

ローランド・エメリッヒ監督(E)マーク・ゴードン(G)


E :東京に来ることができて嬉しいです。

G :日本に来ることができて、とても興奮しています。6月5日の公開初日には、ぜひ劇場にお越しください。


撮影中に最も大変だったことは? 地球温暖化は深刻になっているが、監督自ら温暖化を防ぐために行っていることはありますか?

E :ニューヨークに大きな高波が襲いかかるシーンですが、あのシーンは、ニューヨークでのロケはもちろん不可能です(笑)。なのでセットを作りました。巨大なタンクの中にセットを組んで、大量の水を注ぎ込みます。ビル街は前面だけ作り、足りない個所はCGで補っていきます。このシーンは現在、編集作業中です。二つ目の質問ですが、温暖化は何らかの対応策をとらないと、将来、この映画のような災害が起きると思います。私は、英国のフューチャー・フォレストという会社の活動に参加しています。その活動とは、植林を行うことで二酸化炭素の増加を防ぎ、温暖化を食い止めようとするものです。


「ディープ・インパクト」や「アルマゲドン」というディザスター・ムービーは世紀末という機運もあって、大ヒットしました。この「デイ・アフター・トゥモロー」は21世紀初の大型ディザスター・ムービーと言えると思いますが、製作した意味は? 9月11日の全米同時多発テロの影響は大きかったのでしょうか? また以前監督が作った作品(「インデペンデンス・デイ」や「GODZILLA」)よりもVFXが進化しているにも関わらず、リアルなミニチュアを多用しているように思えましたが……。

G :エメリッヒ監督がこの企画を思いついたのは9月11日より前だったので、あの事件が直接関係しているわけではありません。この映画の中では様々な災害が起こります。しかもこの映画はその災害をとてもグローバルな視点で捕らえています。東京、パリ、ロンドン……全てが巻き込まれるわけです。この映画のスケールは前の(エメリッヒ監督の)作品よりもずっと大きくなっています。

E :ミニチュアが多いというご指摘ですが、この作品の中で使っているのはほぼCGです。ロサンゼルスやキャピタルレコードのビルはCGで作ったものを壊しています。最初はミニチュアを使うことも考えていましたが、やはり今はCGのほうがリアルに表現できるので、ミニチュアはほとんど使用していません。


お2人に質問です。過去のディザスター・ムービーで好きなものは? また、「デイ・アフター・トゥモロー」に影響を与えたと思われるディザスター・ムービーは?

G :私が影響を受けたのは、「インデペンデンス・デイ」「GODZILLA」です(笑)。

E :私は「ポセイドン・アドベンチャー」です。今回の作品の冒頭部分、“ある一部の人たちが、危機的な状況の中で行動を決める”ところが「ポセイドン・アドベンチャー」と似ていると思います。


「インデペンデンス・デイ」「GODZILLA」「パトリオット」と群像劇が続いていますが、こだわりみたいなものはありますか?

E :私が惹かれるのは、とてもスケールの大きい、大掛かりなストーリーです。その中で人々がどのような行動をとるのか、どのように対処するのか、そこに惹かれるのです。それを描くことで、映画をご覧になっている方に「あなたならどうしますか?」という問いかけができるからです。


東宝が「ゴジラ」を当面製作しない、と発表したそうですが、これについてどう思いますか?

E :あれだけ素晴らしいシリーズが見られなくなるのはとても悲しいです。


東京には巨大なヒョウが降ってくるそうですが、映画の中で東京はどのような運命をたどるのか、話せる範囲で教えてください。

E :北半球にある都市は、全て氷に閉ざされる、ということです。

G :南に逃げましょう(笑)。


タイトルが「デイ・アフター・トゥモロー」(直訳:明後日)となっていますが、これは三日間の話だからでしょうか? タイトルに込められた意味を教えてください。

E :「明後日」という意味はありません。「デイ・アフター・トゥモロー」には“運命”と“希望”という意味が含まれています。また、この映画で起きることは決して未来の話ではない、明日、あるいは明後日にでも起きるかもしれないという現実感を与えたかったのでこのタイトルにしました。

G :この映画は決して悲観的な作品ではありません。未来に希望を残す作品になっています。地球温暖化は人間が引き起こしたものですが、今からでも現状を変えていこうとすれば、いい方向にもっていくことはできるということを伝えたいのです。


ストーリーについて、分かる範囲で教えていただけますか?

G :北半球が悪天候になり、次第に氷河期のようになっていきます。古代気象学者のジャックは政府に警告しますが、聞き入れてもらえず、ニューヨークで孤立している自分の息子を自ら救いに行くという父と子の物語です。


日本のファンにメッセージを。

G :娯楽満載のスペクタクル巨編です。しかしそれ以上に伝えたいのは、この映画は「愛」を、「心」を、そして「感情」をテーマに語っている作品だということです。人間が危機的な状況になったときに、どうように克服していくか、そこに共感していただけると思います。

E :この映画は国境を越えて共感できる作品です。そして、父親は少し疎遠になっていた自分の息子の心を取り戻して彼を助けに行く、家族の絆を描いた作品でもあります。


今回の作品には多額のお金がかかっていると思いますが、どのシーンに最もお金がかかっていますか?

G :毎晩、とてもよいご馳走を頂いていました(笑)。というのは冗談ですが、この作品では“フォトリアル”、すなわち写真のようにリアルに作りたいと考えていました。なので、視覚効果にはずいぶんお金がかかりました。だいたい総製作費の35%〜40%くらいかかっているでしょうか。

E :45%だよ。毎日毎日、そのパーセンテージが上がってます(笑)。


特撮に関して監督が苦労したことはありますか?

E :先ほども述べましたが、タンクのセットの中で水を使うことが難しかったです。作品に登場する水はCGと本物の両方が存在するわけです。その2つの水の共存が難しかったです。このタンクを使ったシーンの撮影には2週間かかりました。


氷河期のシーンでは屋外に出てしまうと死んでしまうほどの寒さだそうですが、何度くらいなのでしょうか? また、氷河期のシーンを描く上で難しかったことは?

E :寒気が台風のように渦を巻いて襲いかかってくるんです。その中心は特に温度が低いです。映画の中ではヘリコプターがその寒気の渦にやってきますが、燃料は一瞬のうちに凍り、機体も凍ってしまうんです。

G :-96度(摂氏)の寒気です。

E :氷河期のシーンは現在、製作中なでの製作の苦労話はまだ何とも言えません。


寒さは強いほうですか?

中央:スペシャルゲストの鶴田真由さん
E :寒さには弱いです。暖かいほうがいいですね(笑)。

G :私は寒いのは苦手ではないですが、この作品ほど寒いのはちょっと…(笑)。


これまでの作品で、ニューヨークを中心としたアメリカの街を毎回破壊していますが、本当はアメリカが嫌いなのですか? それとも愛するが故に?

E :私はニューヨークは大好きです。アパートも持っています。ニューヨークはアメリカの文化のシンボルだと思っています。なので、アメリカで何かが起こったということを表現する場合、ニューヨークを用いることにしているのです。


先ほどより「水槽のタンク」の話が出ていますが、例えばジェームズ・キャメロンの「アビス」では巨大なタンクが使用されましたが、それを上回るようなタンクを作ったのですか?

G :キャメロンよりも大きいよ!(笑)

E :ジェームズ・キャメロンはタンクの深さで言えば彼のほうが上だけど、広さではこっちのほうが勝っているかな(笑)。

G :素晴らしい回答だね(笑)。


ありがとうございました。



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