STORY#01

 アイルランド北西部に位置するドニゴール。ここはケルト文化を育んだ美しい土地。青々とした草原では羊たちが草をはみ、動物と人間が共存している。けれど……、若者たちは羊には夢中になれないし、毎日判でおしたような生活は退屈でしかない。
 18歳のショーン(ショーン・マクドノー) はこの村を出て違う人生を経験したいと思っている。少々ニブくて太り気味の肉屋キーラン(イアン・ハート) は、満潮になると船を漕いで唯一の楽しみであるパブへと通う。マローン神父(リスタード・クーパー) は毎週水曜日、説教の後に映画上映を行っている。今日の映画は「十戒」のはずだったが、なぜかスクリーンに映ったのは「テン」。ボー・デレクのセクシーな肉体を目にして、男たちの価値観が変わった、のかもしれない。




STORY#02

 扇情的すぎる「テン」の上映を許すべきか否か? 彼らは元サッカーのスター選手パット(ユアン・スチュアート) と妻のケイト(ニーアム・キューザック) が経営するパブに集合した。マザコン気味のオリー(パット・ショート) は、村を愛するならボー・デレクは諦めるしかないと思っている。キーランは兄のイアン(ショーン・マッギンレイ) に、男たちが空想に夢中になるのはしかたないと訴える。だって彼らには他に何もすることがないから。村には適齢期の女など誰もいないのだ。
 そんなとき、肉屋で働くシボーン(キャスリーン・ブラッドレイ) のひとことがヒントになって、男たちはあるアイデアを思いつく。新聞に“女性募集”の広告を出そう!
 プレイボーイ誌を見て決めたのはマイアミのヘラルド紙。毎年恒例の聖マルタ祭のダンス・パーティーにアメリカ人女性を招待しようというのだ。




STORY#03

 食料品店兼郵便局を経営するショーンの母メアリー(ルース・マッケイブ) は、怪しい手紙を見つけると開封して盗み見する名人。男たちが新聞社へ出した手紙を見て、この“結婚作戦”は村中に知れ渡った。実はキーランに気のあるシボーンの胸中は穏やかではない。昔からケイトに気のあったイアンの恋心も再燃し始める。男も女も、誰もがこの“作戦”のせいで忘れていたロマンスの香りを思い出したのだ。

 キーランは髪を金髪に染め、“ラブ・マシーン”に生まれ変わるべく腕立て伏せを始めた。股間に手をやる下品な癖は直らないが、女たちに愛想を振りまいて“いい男”をアピールする。実はまだ女を知らなかったオリーは、準備を整えるために童貞を捨てる決心をするが、うまくいかずに落ち込んでいる。やがて新聞に広告が掲載された。男たちは期待に胸を膨らませながらバス停にアメリカ女を迎えに行くが……。